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労働基準法上の賃金とは
労働基準法上における「賃金」とは、使用者が労働者に対して、労働の対価として支払うすべてのものとされています。
しかし、一口に賃金といってもその種類は様々で、細かい規定もございます。ここでは、労働基準法における「賃金」について、詳しくご紹介いたします。
◯ 賃金に該当するもの
労働基準法では、原則として以下のものが「賃金」としてみなされます。
・就業規則に定められた内容による退職金、慶弔見舞金等 ・手当等を含む、月次ごとの給与
・賞与
・休業手当
・就業規則に定められた内容による退職金、慶弔見舞金等
◯ 賃金に該当しないもの
労働基準法では、以下のものについては「賃金」として認めないとしています。
・出張旅費
・解雇予告手当
・福利厚生施設(社宅や保養所、体育館など)
・制服や作業服
・就業規則で定められていない退職金、慶弔見舞金等
◯ 労働基準法による賃金支払いの五原則
労働基準法では賃金の支払いを確実なものとするために、以下のような五原則を定めています。
1.通貨払いの原則
賃金は原則として「通貨」で支払わなければなりません。そのため、食料や物資の支給による「給与支払い」は一切認められません。なお、預金口座への賃金振込みに関しては「労働者の同意を得た場合」に可能となります。
2.直接払いの原則
賃金は労働者本人に直接支払うのが原則であり、労働者本人以外(家族や法定代理人など)に対しては支払うことができません。しかし、労働者本人が病気のため、代わりの人が受け取るような場合は例外とされています。
3.全額払いの原則
賃金は原則として「その全額」を支払わなければなりません。ただし、所得税や社会保険料など、他の法令によって賃金控除が認められている場合はこの限りではございません。なお、社宅料や積立金を控除することを労使協定で取り決めている場合も同様です。
4.毎月一回以上の原則
賃金は毎月一回以上支払わなければなりません。月に一度以上支払えば問題ございませんので、西ヨーロッパ諸国で広く行われている週給制でも、一日単位で支払う日給制でも問題ありません。
5.一定期日払いの原則
賃金は毎月一回以上、一定の期日に支払う必要があります。これは、支払い間隔が開きすぎることで、支給日が不安定になることを防止するためです。なお、この原則は臨時に支払われる賃金等(退職金)や賞与については例外とされています。
このように、労働基準法では賃金について細かく定められています。賃金による労務トラブルを招かないためにも、経営者様は知っておかなければなりません。
賃金や残業代、時間外労働等、労務トラブルに関するお悩みなら、社労士(社会保険労務士)へご相談ください。
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